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『婦系図』
青空文庫
小芳の心中、ともかくも、お蔦の頼み少ない風情は、お妙にも見て取られて、睫毛を幽《かすか》に振わしつつ、
「お医者には懸っているの。」
「いいえ、私もその意見をしていた処でござんすよ。お医者様にもろくに診《み》て貰わないで、薬も嫌いで飲まないんですもの、貴女からもそう云ってやって下さいましな。」
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