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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 これは不思議、と爺《じじい》どのが、肩を半分乗出す時じゃ、お姿が波を離れて、山の腹へすらりと高うなったと思うと、はて、何を嘉吉がしくさりましたか。
 屹と振向かっしゃりました様子じゃっけ、おの団扇が飜然《ひらり》と飜《かえ》って、斜《ななめ》に浴びせて、嘉吉の横へびしりと来たげな。

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