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『薬草取』
青空文庫
「はい、一人でございます、そしてこちらへ参りますまで、お姿を見ましたのは、貴方《あなた》ばかりでございますよ。」
いかにもという面色《おももち》して、
「私《わたし》もやっぱり、そうさ、半里ばかりも後《あと》だった、途中で年寄った樵夫《きこり》に逢《あ》って、路《みち》を聞いた外《ほか》にはお前さんきり。
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