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『歌行燈』
従吾所好
「持つて来い、さあ、何んだ風車。」
急に勢の可い声を出した、饂飩屋に飲む博多節の兄哥は、霜の上の燗酒で、月あかりに直ぐ醒める、色の
白
いのも其まゝであつたが、二三杯、呷切（あふつきり）の茶碗酒で、目の縁へ、颯と酔が出た。
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