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『縁結び』 青空文庫
「これかい、南無妙。これは似たような絵じゃが、余吾将軍維茂《よごしょうぐんこれもち》ではない。見さっしゃい。烏帽子素袍大紋《えぼしすおうだいもん》じゃ。手には小手《こて》、脚《あし》にはすねあてをしているわ……大森彦七《おおもりひこしち》じゃ。南無妙、」
と豊かに目を瞑《つぶ》って、鼻の下を長くしたが、
「山頬《やまぎわ》の細道を、直様《すぐさま》に通るに、年の程十七八計《ばかり》なる女房《にょうぼう》の、赤き袴に、柳裏《やなぎうら》の五衣《いつつぎぬ》着て、鬢《びん》深《ふか》く鍛《そ》ぎたるが、南無妙。
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