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『縁結び』 青空文庫
彦七不怺《こらえず》、余《あまり》に露《つゆ》も深く候えば、あれまで負進《おいまいら》せ候わんとて、前に跪《ひざまず》きたれば、女房すこしも不辞《じせず》、便《びん》のう、いかにかと云いながら、やがて後《うしろ》にぞ靠《よりかか》りける、南無妙。
白玉か何ぞと問いし古《いにし》えも、かくやと思知《おもいしら》れつつ、嵐《あらし》のつてに散花《ちるはな》の、袖に懸《かか》るよりも軽やかに、梅花《ばいか》の匂《におい》なつかしく、蹈足《ふむあし》もたどたどしく、心も空に浮《うか》れつつ、半町《はんちょう》ばかり歩みけるが、南無妙。
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