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 『婦系図』 青空文庫

 小芳が、おお暑い、と云いつつ、いそいそと帰って来た。
 話にその小使の事も交って、何であろうと三人が風説《うわさ》とりどりの中へ、へい、お待遠様、と来たのが竹葉。
 小芳が火を起すと、気取気の無いお嬢さん、台所へ土瓶を提げて出る。お蔦も勢《いきおい》に連れて蹌踉《よろよろ》起きて出て、自慢の番茶の焙《ほう》じ加減で、三人睦くお取膳。

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