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『親子そば三人客』
従吾所好
「何うしたの、」と娘もばた/\、何につけても忙しい、壱岐殿坂下のおやこ蕎麦と看板に記して、夫婦と娘ばかり、男も使はず、近所の出前は親仁が受持つて、留守の内は板前を母親が預る、娘が給仕の共稼ぎ。
店も座敷も八畳の上り口の此の間一ツ、積んだ蒸篭を床飾にして、客は五人だとぎツしり立込む程、内端な商売、勿論こゝが親子三人の閨にもなる。
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