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 『五大力』 従吾所好

「そりや私だつて知つてるけれど、妙な処へ酔興に紛込んで、まるで見当が着かないんですよ。」
「あら、御存じぢやありませんか、大問屋の、あの、油蔵の中ですわ。」
 小弥太は何故か、ぎよつとして、油の名に負ふ、其の地獄の途を辷るのかと思つたのである。

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