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 『日本橋』 青空文庫

「私が出ますと姉さんが。」
 とお孝を案じて辛抱する。その可愛さも知れている。それだのに、お千世に口の掛からない時は、宵から、これは何だ、と阿婆が茶の缶の錻力を、指で弾いて見せると云うまで、清葉は聞伝えているのであった。

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