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 『天守物語』 泉鏡花を読む

図書 は、恐《おそれ》入つたる次第ではございますが、お姿を見ました事を、主人に申まして差支へはございませんか。
夫人 確《たしか》にお言ひなさいまし。留守でなければ、何時でも居るから。
図書 武士の面目に存じます――ご免。

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