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 『薬草取』 青空文庫

「私《わたし》もやっぱり、そうさ、半里ばかりも後《あと》だった、途中で年寄った樵夫《きこり》に逢《あ》って、路《みち》を聞いた外《ほか》にはお前さんきり。
 どうして往《い》って還《かえ》るまで、人《ひと》ッ子《こ》一人《ひとり》いようとは思わなかった。」
 この辺《あたり》唯《ただ》なだらかな蒼海原《あおうなばら》、沖へ出たような一面の草を〓《みまわ》しながら、

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