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『春昼後刻』
泉鏡花を読む
「何んともハイ御しんせつに言はつせえて下せえやして、お庇様で、私、えれえ手柄して礼を聞いたでござりやすよ。」
「別に迷惑にもならなかつたかい。」
と悠々として云つた時、少なからず風采が立上がつて見えた。勿論、対手は件の親仁だけれど。
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