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 『夜叉ヶ池』 青空文庫

鯰入 (杖を袖にまき熟《じっ》と視《み》て)さては縁のない衆生でないの。……これは、北陸道無双の霊山、白山、剣ヶ峰千蛇ヶ池の御公達《ごきんだち》より、当国、三国ヶ岳夜叉ヶ池の姫君へ、文づかいに参るものじゃ。
鯉七 おお、聞及んだ黒和尚《くろおしょう》。
蟹五郎 鯰入は御坊《ごぼう》かい。

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