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『絵本の春』 青空文庫
この魔のような小母さんが、出口に控えているから、怪《あやし》い可恐《おそろし》いものが顕《あら》われようとも、それが、小母さんのお夥間《なかま》の気がするために、何となく心易《こころやす》くって、いつの間にか、小児《こども》の癖に、場所柄を、さして憚《はばか》らないでいたのである。が、学校をなまけて、不思議な木戸に、「かしほん」の庭を覗くのを、父親の傍輩に見つかったのは、天狗《てんぐ》に逢《あ》ったほど可恐しい。
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