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『春昼後刻』
泉鏡花を読む
此の円いのが海、此の三角が山、此の四角いのが田圃だと思へばそれでもようござんす。それから○い顔にして、□い胴にして△に坐つて居る、今戸焼の姉様だと思へばそれでも可うございます、袴を穿いた殿様だと思へばそれでも可いでせう。
それから……水中に物あり、筆者に問へば知らずと答ふと、高慢な顔色をしても可いんですし、名を知らない
死
んだ人の戒名だと思つて拝んでも可いんですよ。」
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