検索結果詳細


 『春昼後刻』 泉鏡花を読む

 此の円いのが海、此の三角が山、此の四角いのが田圃だと思へばそれでもようござんす。それから○い顔にして、□い胴にして△に坐つて居る、今戸焼の姉様だと思へばそれでも可うございます、袴を穿いた殿様だと思へばそれでも可いでせう。
 それから……水中に物あり、筆者に問へば知らずと答ふと、高慢な顔色をしても可いんですし、名を知らないんだ人の戒名だと思つて拝んでも可いんですよ。」

 320/444 321/444 322/444


  [Index]