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 『婦系図』 青空文庫

 阿母《おふくろ》がんだあとで、段々馬場も寂れて、一斉《いっとき》に二頭《ひき》斃《おち》た馬を売って、自暴《やけ》酒を飲んだのが、もう飲仕舞で。米も買えなくなる、粥《かゆ》も薄くなる。やっと馬小屋へ根太を打附《ぶッつ》けたので雨露を凌《しの》いで、今もそこに居るんですが、馬場のあとは紺屋の物干になったんです。……」

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