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 『婦系図』 青空文庫

 私でさえ、これは一番《ひとつ》貴女に願って、逢ってやって頂きたいと思いましたから、今迄幾度か病人に勧めても見ましたけれども、いやいや、何にも御存じない貴女に、こういう事をお聞かせ申すのは、足を取って地獄へ引落すようなもの。あとじゃ月も日も、貴女のお目には暗くなろう。お最惜《いとし》い、と貞造が頭《かぶり》を掉《ふ》ります。

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