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 『五大力』 従吾所好

 と姉が弟に言ふやうに、
「あの、取着きの土蔵の前に、河岸の柳も霞んだ中に、お納戸色の石〈こく〉もちの紋着を着て、い脚絆を穿いた、きれいな坊さんの、目の見えぬ、色のい飴屋さんが一人、ね、小児を対手に、悄然〈しよんぼり〉立つて居ました……貴方がたは余りお見掛けなさらない様子でしたから、そりや屹と覚えて在らつしやるよ……分つたでせう、」

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