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 『婦系図』 青空文庫

「会は混雑しましょう。若竹座は大変な人でしょう。それに夜も更けると申しますから、人目を紛らすのに仔細ありません。得難い機会です。私がお供をして、ちょっと見舞に参るわけにはまいりませんか。」
 と片手に燐寸《マッチ》を持ったと思うと、片手が衝《つ》と伸びて猶予《ため》らわず夫人の膝から、古手紙を、ト引取って、
「一度お話した上は、たとい貴女が御不承知でも、もうこんなものは、」

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