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『婦系図』
青空文庫
「一度お話した上は、たとい貴女が御不承知でも、もうこんなものは、」
と〓《ぱっ》と火を摺《す》ると、ひらひらと燃え上って、蒼くなって消えた。が、靡きかかる煙の中に、夫人の
顔
がちらちらと動いて、何となく、誘われて膝も揺ら揺ら。
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