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 『婦系図』 青空文庫

「そりゃ、何でさ、ええ、ちょいとその気になりゃなッたがね、商いになんか行くもんか。あの母親《おふくろ》ッて奴を冷かしに出かける肝《はら》でさ。」
「そういう料簡《りょうけん》だから、お前、南町御構いになるんだわ。」
 と盆の上に茶呑茶碗……不心服な二人《ににん》分……焼海苔《やきのり》にはりはりは心意気ながら、極めて恭しからず押附《おッつけ》ものに粗雑《ぞんざい》に持って、お蔦が台所へ顕れて、

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