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『春昼後刻』
泉鏡花を読む
茅屋の軒へ、鶏が二羽舞上つたのかと思つた。
二個の頭、獅子頭、高いのと低いのと、後になり先になり、縺れる、狂ふ、花すれ、葉ずれ、菜種に、と見るとやがて、足許から其方へ続く青麦の畠の端、玉脇の門の前へ、出て来た連獅子。
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