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『高野聖』
泉鏡花を読む
と姉弟が内端話をするやうな調子。手をあげて黒髪をおさへながら腋の下を手拭でぐいと拭き、あとを両手で絞りながら立つた姿、唯これ雪のやうなのを恁る霊水で清めた、恁う云ふ女の汗は薄紅になつて流れよう。
一寸々々と櫛を入れて、
(まあ、女がこんなお転婆をいたしまして、川へ落こちたら何うしませう、川下へ流れて出ましたら、村里の者が何といつて見ませうね。)
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