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 『縁結び』 青空文庫

 横手にも窓があって、そこをあけると今の、その雪をいただいた山が氷《こおり》を削《けず》ったような裾を、紅、緑、紫の山でつつまれた根まで見える、見晴の絶景ながら、窓の下がすぐ、ばらばらと墓であるから、また怯《おび》えようと、それは閉めたままでおいたのである。

     十

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