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 『婦系図』 青空文庫


「どうもこうもありはしません、それが当前じゃありませんか。義、周の粟を食《くら》わずとさえ云うんだ。貴女、」
 と主税は澄まして言い懸けたが、常《ただ》ならぬ夫人の目の色に口を噤《つぐ》んだ。菅子は息急《いきぜわ》しい胸を圧えるのか、乳の上へ手を置いて、

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