検索結果詳細
『春昼』 泉鏡花を読む
「それは申しますまい。私も、盲の垣覗きよりもそツと近い、机覗きで、読んでおいでなさつた、書物などの、お話も伺つて、何をなさる方ぢやと言ふ事も存じて居りますが、経文に書いてあることさへ、愚昧に饒舌ると間違ひます。
故人をあやまり伝へてもなりませず、何か評をやるやうにも当りますから、唯々、かのな、婦人との模様だけ、お物語しませうで。
一日晩方、極暑のみぎりでありました。浜の散歩から返つてござつて、(和尚さん、些と海へ行つて御覧なさいませんか。綺麗な人が居ますよ。)
336/628
337/628
338/628
[Index]