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『天守物語』
泉鏡花を読む
夫人 あゝ、主従《しうじう》とかは可恐《おそろ》しい。鷹とあの人間の生命とを取《とり》かへるので
ござ
いますか。よしそれも、貴方が、貴方の過失《あやまち》なら、君《きみ》と臣と云ふもののそれが道なら仕方がない。けれども、播磨がさしづなら、それは播磨の過失《あやまち》と云ふもの。第一、鷹を失《うしな》つたのは、貴方ではありません。あれは私が取りました。
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