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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

    (そりゃ魔が魅《さ》すぞ!)
 と哄《どっ》と囃して、消えるように、残らずいなくなるのでござりますが。
 何とも厭な心持で、うそ寂しい、丁ど盆のお精霊様が絶えず其処らを歩行《ある》かっしゃりますようで、気の滅入りますことというては、穴倉へ引入れられそうでござります。

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