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 『義血侠血』 青空文庫

 馭者は夢みる心地しつつ耳を傾けたり。白糸は誠を面に露わして、
「きっとお世話をしますから」
「いや、どうも重ね重ね、それでは実に済まん。私もこの報恩《おんがえし》には、おまえさんのために力の及ぶだけのことはしなければならんが、何かお所望《のぞみ》はありませんか」

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