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 『婦系図』 青空文庫

「いいえ、あの人だけは参りませんの。この頃じゃ家へ帰られないような義理になっておりますから、気の毒ですよ。
 ああ、そう申せば、」と優しく、枕許の置棚を斜《ななめ》に見て、
「貴下は、まあ、さぞ東京へお帰りなさらなければならなかったんでございましょうに。あいにく御病気で、ほんとうに間が悪うございましたわね。酒井様からの電報は御覧になりましたの?」

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