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『婦系図』
青空文庫
これより前《さき》、看護婦の姿が欄干から消えて、早瀬の病室の扉《と》が堅く鎖されると同時に、裏階子《うらはしご》の上へ、ふと顕れた一人《にん》の婦《おんな》があって、堆《うずたか》い前髪にも隠れない、鋭い瞳は、屹《き》と長廊下を射るばかり。それが跫音を密《ひそ》めて来て、隣の空室《あきま》へ忍んだことを、断って置かねばならぬ。こは道子等の
母
親である。
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