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『五大力』
従吾所好
前に又一筋、水明りが遙に映〈さ〉した。……板塀の影も筏のやうな、其処も物置の隙間で。
「可いんですよ、」
「可かアありません!何うも様子が、見忘れては済まない方だけれども、つい思ひ出せません。後生だから、あやまりますから、聞かしてくれませんか、一寸誰方だね。」
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