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 『春昼後刻』 泉鏡花を読む

「角兵衛に、そんなものがあるもんか。」
「お前は知らないでもね、様の方は知つてるかも知れないよ、」
 と衝と手を袴越に白くかける、とぐいと引寄せて、横抱きに抱くと、獅子頭はばくりと仰向けに地を払つて、草鞋は高く反つた。鶏の羽の飾には、椰子の葉を吹く風が渡る。

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