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『縁結び』
青空文庫
私は、思わず飛込んで、その襖を開けたよ。
がらん堂にして仁右衛門も居らず。懐しい人だけれども、そこに、と思うと、私もちと居なすった幻のあとへは、第一なまぐさを食う身体《からだ》だし、もったいなくッて憚《はばか》ったから、今、お君さん、お前が坐っているそこへ坐ってね、机に凭《もた》れて、」
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