検索結果詳細


 『義血侠血』 青空文庫

「処女《きむすめ》のように羞ずかしがることもない、いい婆のくせにさ。私の所望《のぞみ》というのはね、おまえさんにかわいがってもらいたいの」
「ええ!」と馭者は鋭く叫びぬ。
「あれ、そんなこわい顔をしなくったっていいじゃありませんか。何も内君《おかみさん》にしてくれと言うんじゃなし。ただ他人らしくなく、生涯親類のようにして暮らしたいと言うんでさね」

 362/706 363/706 364/706


  [Index]