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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
その嬢様は落っこちそうなお腹じゃげな。」
「むむ、孕んでいたかい。そりゃ怪しからん、その息子と言うのが馴染ではないのかね。」
「御推量でござります、そこじゃ、お前様。見えて半月とも経ちませぬに、豪《えら》い騒動が起ったのは、喜太郎様の嫁御がまた臨月じゃ。
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