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『五大力』
従吾所好
と、さつと傘を開きながら、小弥太の袖から袂を離した。弥〈いや〉が上に顔を包むと気取つたが、婦が翳した其の傘に、〓〈しぶき〉するまで篠を束ねた大降であつた。――
――と語つた時、梅川の行燈に褪せて、渠〈かれ〉の顔は
白
けて居た。
時に再び、燗酒に手を掛けた、が握拳のまゝ偶と留めて、
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