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『夜叉ヶ池』
青空文庫
白雪 聞かずと大事ないものを――千蛇ヶ池とは知れた事――このおふみの許《とこ》へさ。(と巻戻し懐中《ふところ》に納めて抱《いだ》く。)
姥 (居直り)また……我儘《わがまま》を仰せられます。お前様、ここに鐘《つりがね》がござります。
白雪 む、(と眦《まなじり》をあげて、鐘楼を屹《きっ》と見る。)
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