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『婦系図』
青空文庫
ぱたぱたと、我ながら慌《あわただ》しく跫音立てて、一文字に駈けつけたが、室へ入口で、思わず釘附にされたようになった。
バサリと音して、一握《ひとにぎり》の綿が舞うように、むくむくと渦《うずま》くばかり、枕許の棚をほとんど転《ころが》って飛ぶのは、大きな、色の
白
い蛾《ひとりむし》で。
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