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 『薬草取』 青空文庫

 それも、南北《みなみきた》、何方《どちら》か医王山道《いおうざんみち》とでも鑿《ほ》りつけてあればまだしもだけれど、唯《ただ》河原に転《ころが》っている、ごろた石の大きいような、その背後《うしろ》から草の下に細い道があるんだもの、ちょいと間違えようものなら、半年経歴《へめぐ》っても頂《いただき》には行《ゆ》かれないと、樵夫《きこり》も言ったんだが、全体何だって、そんなに秘《かく》して置く山だろう。全くあの石の裏より外《ほか》に、何処《どこ》も路はないのだろうか。」

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