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 『春昼後刻』 泉鏡花を読む

「その方が心持が可い、命を取つたんだと、そんなにせずともの事を、私が訴人したんだから、怨みがあれば、此方へ取付くかも分らずさ。」
「はゝはゝ、旦那様の前だが、矢張お好きではねえでがすな。奥に居た女中は、がと聞いただけでアレソレ打騒いで戸障子へ当つただよ。
 私先づ庭口から入つて、其処さ縁側で案内して、それから台所口に行つて彼方此方探索のした処、何が、お前様御勘考さ違はねえ、湯殿の西の隅に、べいら/\舌さあ吐いとるだ。

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