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 『夜叉ヶ池』 青空文庫

晃 そりゃ、米を磨いでいるからさ。……(框《かまち》の縁に腰を掛く)お勝手働き御苦労、せっかくのお手を水仕事で台なしは恐多い、ちとお手伝いと行こうかな。
百合 可《よ》うございますよ。
晃 いや……お手伝いという処だが、お百合さんのそうした処は、咲残った菖蒲を透いて、水に影が映《さ》したようでなお綺麗だ。

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