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 『縁結び』 青空文庫

「お願《ねがい》だ、お願だ。精霊大まごつきのところ、お馴染の私《わし》が媽々《かかあ》の門札《かどふだ》を願います、と燈籠を振廻《ふりま》わしたもんです。
 様《おっかさん》は、町内評判の手かきだったからね、それに大勢居る処だし、祖《おばあ》さんがまた、ちっと見せたい気もあったかして、書いてお上げなさいよ、と云ってくれたもんだから、扇《おうぎ》を畳《たた》んで、お坐んなすったのが――その机です。

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