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『五大力』
従吾所好
「矢張り、
血
の道が内攻したんだと言ふ――疝気の虫は目が三つで、酢の中を泳ぐつて、……永代むかうの世間へ出ると、日比谷の方角が分らない、大昔の新姐だもの。目の出張る疾があるものか……婆さん、何を云ふ、と思つたが、何しろ、其の婦の大病な事はよく知れた……けれども、人間浅間しい事には、真実よりか外聞が先に立つて、秋の末に篭から掃出された虫の殻を、掃溜の中へ行つて探さうとは思はない。
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