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 『春昼後刻』 泉鏡花を読む

「唯持つて行つてくれれば可いの、何処へツて当はないの。落したら其処でよし、失くしたら其れツ切で可いんだから……唯心持だけなんだから……」
「ぢや、唯持つて行きや可いのかね、奥さん、」
 と聞いて頷くのを見て、年紀上だけに心得顔で、危つかしさうに仰向いて吃驚した風で居る幼い方の、獅子頭を背後へ引いて、

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