検索結果詳細


 『高野聖』 泉鏡花を読む

 婦人は炉縁に行燈を引附け、俯向いて鍋の下を燻して居たが、降仰ぎ、鉄の火箸を持つた手を膝に置いて、
(御苦労でござんす。)
(いんえ御懇には及びましねえ。叱!)と荒縄の綱を引く。青で蘆毛、裸馬で逞しいが、鬣の薄い牡ぢやわい。

 388/622 389/622 390/622


  [Index]