検索結果詳細
『婦系図』 青空文庫
己に毒薬を装《も》らせたし、ばれかかったお道さんの一件を、穏便にさせるために、大奥方の計らいで、院長に押附《おッつ》けたんだ。己と合棒の万太と云う、幼馴染の掏摸の夥間《なかま》が、ちゃんと材料《たね》を上げていら。
やっぱり家の為だろう。河野家の名誉のために、旧悪を知ってる上、お道さんと不都合した、早瀬と云う者を毒殺しようと、娘を一人傷物にしたんじゃないか。
そこを言うのだ。児《こども》よりも家を大切がる残酷な親だと云うのは、よ。
3917/3954
3918/3954
3919/3954
[Index]