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 『春昼』 泉鏡花を読む

(手巾が落ちました、)と知らせたさうでありますが、件の土器殿も、餌は振舞ふ気で、粋な後姿を見送つて居たものと見えますよ。
(やあ、)と言つて、十二三の一番上の児が、駈けて返つて、橋の上へ落して行つたい手巾を拾つたのを、懐中へ突込んで、黙つて又飛んで行つたさうで。小児だから、辞儀も挨拶もないでございます。

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