検索結果詳細


 『歌行燈』 従吾所好

「生命に別條は無ささうだ、しかし、しかし応へる。」
 とがつくり俯向いたのが、ふら/\した。
「月は寒し、炎のやうな其の指が、火水と成つて骨に響く。胸は冷い、耳は熱い。肉〈み〉は燃える、血は冷える。あつ、」と言つて、両手を落した。

 392/744 393/744 394/744


  [Index]